『ことばはちからダ!』

ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20 (河合塾SERIES)
 高校現代文の用語集。目標はセンター試験国語第一問の評論文をそつなく読めるようにすること、との事。最重要語(20語)、重要語、読めればいい語、というふうに重要度が階層分けされており、それによって解説の詳細さも違うので、無理なく読みとおすことができる。評論文を読むうえでのいわば常識となる背景の説明もあり、受験生にとっては評論文のからくりが見えた気がして気が楽になると思います(俺も読んでおけばよかった!)。この本から得られる知識と多少のテクニックがあればヨワッチイ入試問題なら蹴散らせるのではないかと思う。しかしこの本が受験の枠を超えて実益をもちうるのは、最重要語20語の詳細な説明があるから。「抽象」「本質」など、われわれが文章を書くさいにも使う(ま、人によるか)観念語が紹介・勘所となるニュアンスが指摘されており、ぼんやりとした理解で使っていた語を見直させられる。対義語とあわせて理解できるのもいい。また評論書くような人のあいだの共通理解みたいなもんも得られる。このあとに『教養としての大学受験国語』を読むと丁度よさそう。