責任と自由 (2004)

責任と自由 (双書エニグマ)
 学校でこれ読んでたら学科の同期がきてタイトル見て「違うな」と言ってました。まあなんだか哲学というよりは評論っぽいタイトルだとは思います。中身は堅実な哲学的議論。
 われわれは自由なのかどうか、という問題を考えるとき、責任というのが大きな壁になる。まったく自由でないとすれば、責任が生ずる余地がなくなるのではないか?という心配だ*1。本書では、因果的決定論を認めても「責任」、そしてそれを可能にするある種の自由は成り立つと主張する。
 順を追って、くどいくらいていねいに書かれているので、一読して内容はつかめるはず。予備知識もいらない。形而上学的議論はなしで、あくまで現実の感覚に沿って、「責任」を中心に据えて自由の問題を追っている。

*1:かつてここに書いた:http://d.hatena.ne.jp/misunderstanding/20091002/1254487145。ここでは「権利」と言っているけど、似た話だと思う